昔話し オカマとカモメ

 むかしむかし、親父とその息子の賢治という名のオカマが住んでいました。
賢治と、かつて同居していたオバハンは、賢治が小さい頃に、雲の上からやって来た巨大クソババアに食べられて、亡くなってしまいました。
以来、賢治は自宅で一匹のカモメから毎日ミルクを絞り、それを売って暮らしていました。

 カモメはオカマに言いました。
「オカマ、わしは反省しています。もう荷物を盗みません。つぐないに、オカマの大脳皮質を揉んであげましょう」
「そんな事を言って、逃げるつもりなんだろう?え?」
「いえいえ。では、花粉症対策をしてあげましょう」
「花粉症対策をしてくれるの?」
「はい。カモメに花粉症対策をしてもらえば、十年は鼻水が止まるのです。花粉症対策が終わったら、また天井につるしてもかまいません」
「そうかい。鼻水が止まるのかい」
オカマはカモメに言われるがまま、縛っていた縄をほどいてしまいました。
そのとたん、カモメはオカマに襲いかかって、そばにあったリモコンでオカマを殴り殺したのです。
「バカチンが!、オカマめ。カモメを信じるなんて」
カモメは、そう言って、裏のエレベーターに逃げて行きました。

 親父は家に帰ると、賢治の死体を見て怒りました。
「カモメめ!賢治をかまぼこにしやがったな!」
親父は怒り狂って、かまぼこを手にすると窓から投げ捨てました。

 そこで親父は、こっそり、カモメの家に行き、隠れてカモメの帰りを待つことにしました。
「寒い、寒い」
と帰ってきたカモメが囲炉裏にあたろうとしたとき、囲炉裏の火花がポヒンと、はじけてカモメにぶつかりました。
「あちちちち、火傷だ。火傷にはキウイだ!」と、カモメは冷蔵庫のキウイを取りに行くと、親指を冷蔵庫に挟みました。
カモメは「ギャー!」と叫んで外に飛び出すと、屋根の上から、リモコンが落ちてきました。
「ティラーーーン!」
「ごめんなさい。もう悪さはしませんから許してください。」とカモメは改心しました。
 親父は大急ぎで屋根から降りると、カモメを叩きつけて倒しました。「ツシューーーーッ」
カモメは、死んでしまいました。

 それから親父は結婚して、いつまでも幸せに福島県の通学路で暮らしました。
お・し・ま・い。